2018-01-01から1年間の記事一覧
① 互助と連帯と 小金井市は1958年に生まれ、今年は60周年にあたる。この時に改めて市の現状と課題を小金井市域の社会、政治、経済、文化の歴史の中で考えることは意味があると考えられる。 本稿では第一に、この地域の住民は課題を解決するためにいかに互助…
11月11日三鷹山本有三記念館への吟行 柊の花の中なる白い闇 母として人として女の一生薮柑子 冬館松の巨木のきっぱりと 冬麗ら抵当流れの館かな 初時雨路傍の石の薄明かり 時雨るるや路傍の石に日を残し 吟行句会の後の座にて 笹鳴きや鳴かず飛ばずの昭和人 …
筆者は自分が住んでいるところ、働いているところから問題を考え、それを研究の課題にしてきた。住み始めて十二年になる小金井市も四年前に大学を退職して以来その課題を考えてきた。市の公民館の勉強会や講座の中から「雨宮ゼミ」がつくられ、市における福…
大欅鴉の声もやはらかく いつ遭ふた土器の火焔と曼珠沙華 停電や東京の空に大銀河 縄文より食みて言祝ぐマロンかな 蓑虫を一つ掛けたる枝の揺れ 本月より句会の名前が雲の会よりマロンの会となる。
9月16日にオープンした「art' isozaki](水戸市三の丸1)に9月22日に行ってきた。水戸市の中心の地域の一つであり雑居ビルがシャッターが閉められている状態で数年後には「再開発」されるかもしれない地域でもある。 このアートギャラリーの「こけらお…
秋蝶に兵士の列の乱されず 竜胆と竜胆柄の江戸小紋 無人駅コスモス毎の風の色 酔芙蓉うすべに色の午後一時 俳句でも短歌でもないが ぼくがなにをしたのと五歳の被爆児言ひて逝きたりと
三品英憲さんから『中国の国家体制をどうみるか―伝統と近代ー』(汲古書院、2017年)をいただいた。ここではその中の三品さんの論文「近現代中国の国家・社会関係と民衆ー毛沢東期を中心に」にコメントをしたい。三品論文の30年代40年代の中国共産党中央の少…
相聞の河鹿の声のくぐもりて 空論と空理の境生業の秋 ちゅーちゅーと原爆の日のドリンクを飲む 合縁と奇縁のあはひ蜻蛉交 渓流に揺るる鬼百合闇香る その先を迷っておりぬ瓜の蔓 揺れやまぬ一木の一葉秋意かな 川は澄み河鹿は鳴けり物な思ひそ 病院を三歩離…
『歴史学研究』の2018年8月号に後藤敦史氏が「異国船はなぜ来たか.」という論考をよせられている。その趣旨は内側に足場をおく一国史観は一方通行的になり明治維新をサクセスストーリーとしてみてしまう。それを相対化するためには研究戦略として東アジア海…
落花といふ美しさのありエゴの花 落花よりわずかにはやき翡翠の影
若い時、もう50年以上前から、研究過程で自分で集めたり、史料所有者から委託されたり、原史料を借りてコピーしたものが相当数あった。どうするか考えていたが、その多くは私が茨城大学にいた時に集めたものがおおいので、茨城県の歴史館に委託することにし…
この間体調を崩し、ブログを休んでいたら何人かの若い友人から「催促」もあり、体調も回復してきたので書くことにする。 この間、『占領戦後史研究会ニュースレター』2018年6月に「戦後体制の言説生産の場と主体」という文章を書いた。そこでは蝋山政道が戦…
昨日、市井の日常の場の一つとして選んだスーパーマーケットに吟行した。そのあとの句会ではいつになく豊富で多様で具体的な俳句が披露された。 カーネーションのあたりの品の影深き(いつこさんー以下さん省略) メロディーとともに売らるる新茶かな(ひでお…
4月15日日曜日に小金井市のマロンホールで地元小金井市の「雨宮ゼミナール」の方々による拙著『協同主義と戦後システム』有志舎 、の出版記念会がひらかれた。27名参加され、地元の人、若い研究仲間、茨城大学、獨協大学で教えたゼミ生などがそれぞれ10人ず…
出口雄一さんと米山忠寛さんから『戦時期の労働と生活』法政大学出版会、2018年をいただいた。第八章戦時期の生活と「遵法運動」と題する出口さんの論文は国家法秩序と社会規範の分立をめぐる動きの実証的な論文でありその歴史的法学的位置と意味をみごとに…
雪曝し四十八茶百鼠 春の闇乗せて空っぽメリーゴーランド 雪解光紙漉く村を両断す 以上が句会にだした句である。また5月の吟行の幹事を依頼されたので場所をかんがえた。今まで行ったり聞いたりした場所は例外なく名所旧跡、公園である。私はより日常的で市…
2月17日に「小金井市民運動新聞」の編集部の人から、市制60周年を迎えるにあたり、私が現在、市民講座で行っている「小金井市の近現代史から小金井市の現状と課題を考える」の内容を8回から10回ほど連載したいとの依頼があった。3月に上梓される本のあとは今…
昨2月8日戦後体制研究会の研究例会があった。自民党衆議院議員で宏池会の国場幸之助さんのインタビューがおこなわれた。沖縄の保守故の特徴でかつその課題の複雑性や先端性ゆえに保守そのものの先端的普遍性につらなることを感じた。 特に印象的であったのは…
唯武器論とは1933年に毛沢東が「持久戦」という著作のなかでのべたものである。戦争の勝敗は武器のみによって決まらない。きめるのは物ではなく人である。持久戦争になれば敵の武器も消耗したり士気がなくなったり、国内での厭戦、国際世論の非難などの武器…
帰心といふ色 - 雨宮昭一の個人研究室
1月20日のマッカーサーノート研究会、翌21日の文明ホオラム@北多摩に連続参加したがさすがに疲労した。20日の統帥権の報告については私の『近代日本の戦争指導』の範囲であった。もう1本の立憲民主党の生成過程はじつにおもしろかった。旧社会党、連合、広告…
明けましておめでとうございます。昨年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願い申し上げます。 昨年は3月に大学院の講義を終えて長い教員生活を終えました。お世話になり感謝申し上げます。引き続き日野市審議会、新しくNPOの理事就任などあり、天…