雨宮昭一の個人研究室

政治学と歴史学と地域の研究をしている雨宮昭一の備忘録です

2021年5月の俳句

私の七冊目の単著の準備のために、意図、構成、目次など考えていて、俳句のことを考える時間はすくないが,詠めたものを書く。 初嬰を万緑にくるみ帰宅する 初嬰を万緑にくるみバスを待つ 青葉全樹光の中の園児たち コロナ禍やワクチン打ちて新緑へ 万緑の中…

2021年4月の俳句

春満月を家の中まで連れ遊ぶ 春時雨蕗てふ花のあたたかさ 水平に氷河の擦痕岩山春 花に佇ち花の向こふを見てゐたり 初桜とらえし御器齧りのやはらかさ 大輪のらっぱ水仙深い息 花満つる桃の花満つ甲斐路かな 花満つる同姓の墓二十ほど 春燦燦万物を寛大にす …

2021年4月の俳句

春満月を家の中まで連れ遊ぶ 春時雨蕗てふ花のあたたかさ 水平に氷河の擦痕岩山春 花に佇ち花の向こふを見てゐたり 初桜とらえし御器齧りのやはらかさ 大輪のらっぱ水仙息深し 花満つる桃の花満つ甲斐路かな 花満つる同姓の墓二十ほど 春燦燦万物を寛大にす …

2021年3月の俳句―補

3月6日に三つのオンライン研究会に参加して楽しかったが疲労もした。そこでその後1,2日俳句を楽しんだ。 春うらら遠くを見ている縄文人 卒業す流れる水の緩やかに 春は曙ねがえるがうらぎらづ 一族の駄猫駄馬豚児卒業す 白い息あなたの声がよく見える しく…

三つのオンライン研究会

3月6日土曜日は、早稲田大学ナショナリズム・エスニック研究所WIÑE研究会、戦時法研究会、、天川ゼミナール・ガバナンス研究会の三つのオンライン研究会に参加した。早稲田のものは貴堂嘉之さんのアメリカナショナリズムはシビックナショナリズム、エスノ…

2021年3月の俳句

おほかたは水に流さず春ショール 打ち上げられし巨船の角度春の月 大地溝帯を走る人々大旦 校庭の空に溶け込む蛇口の氷柱かな とも 一病が悪友への魔除け初桜 野馬はひらがなだろう かげろふ 藪椿一輪づつの墓参り 下萌えをボールのごとく犬走る 恋猫の闇の…

都市の農村化と農村の都市化の交錯ー田園都市構想とポストベッドタウンシステム

かねてからの友人である先崎千尋さんから著書『評伝山口武秀と山口一門 戦後茨城農業の「後進性」との闘い』2021年1月、日本経済評論社、をいただいた。著者も組合長や町長などで関わった茨城県の、戦前、敗戦直後、高度成長期、高度成長後から現在にお…

2021年2月の俳句

恐竜を祖にもつ白鳥のその声 雪しきりエンゲルス読む午後三時 親方のこらえ涙や照ノ富士賜杯秋 一叢に一輪づつの寒椿 野良の径映画帰りの冬銀河 みどりなき土にやはらか春の雨 透明な城といふもの姫路秋 大寒や猫背を直せと猫にいふ 寒明くる親子にされたや…

「個人的性愛」の「現実化」と協同主義

私が研究員をしている法政大学大原社会問題研究所から『大原社会問題研究所雑誌』748号、2021年2月号、が届いた。「イギリス工業化社会における労働者階級家族と子供たち」を主題とする特集がくまれている。その中の「エンゲルス『起源』の「二つの生…

2021年1月の俳句

除夜の鐘太平洋の空の色 しっかりと寒夜は暗き父母の街 歳月は毎秒ご破算去年今年 母の作品として我喜寿の暮 スーパーの角を曲がって新年の来る 勉強からきし独楽最強の児輝きて オンラインプレゼン中の猫の恋 それぞれの子供躍らす落葉溜まり 竃猫不幸なけ…

2021年の年賀状

明けましておめでとうございます。昨年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。 昨年は協同主義研究会、五つ程の学会、研究会でのオンライン参加と報告(戦時法研究会)をいたしました。以前より多く、以前には戻らないでしょうね。 新…

非既成勢力の自己革新と占領軍の物語

中村元さん、笹川裕史さん、高岡裕之さんから笹川裕史編『現地資料が語る基層社会像』汲古書院をいただいた。全体に興味があるが、ここでは中村元さんの書かれた、「第5章 戦時戦後日本社会と露天商集団」にコメントをする。表題のテーマを実証的に論じた優…

2020年12月の俳句

この間、来年1月締め切りの「研究ノート」の準備といくつかのZOOM研究会に参加したこと、さらにこの「12月の俳句」欄に出すはずの俳句を「11月の俳句続き」に出してしまったので、ここに書く俳句は少ない。 枯野でもやるときはやるですね、坂野さん それ…

歴史学研究会のズーム研究会に参加して

この間歴史学研究会のいくつかのズーム研究会に参加したので全くの個人的感想をかいておきたい。 歴史学研究会合同部会(11月29日)では、従来の中央集権的主権国家としての近世国家は実は水平的に多様な要素を含む国家であり、帝国であることを日本、東洋…

坂野潤治さんを悼む

坪内稔典さんに「枯野では捕鯨の真似をしろよ、なあ」という句がある。これは句仲間の追悼の句としてつくられたものである。私は弟子ではないが、長い間親しくつきあっていただいた、畏敬すべき人としての坂野潤治さんに何かを書きたいと思った。 俳句では「…

2020年11月の俳句続き

疎水秋近江の空を運びけり 疎水橋煉瓦捩じれて紅葉色 大紅葉燃ゆるや本堂開け放ち 紅葉燃ゆ京都モダンの無鄰菴 苦瓜一つその茎のみ青し 入滅の慟哭満ちて五重塔秋 凛として真っ直ぐに飛ぶ雪蛍 日露戦ここより始む無鄰菴 以上

菅政権の性格

今月11月17日にある研究者から、インターネット上の内田樹さんの最近の評論を紹介されてそれへのコメントを求められたのに昨日、おこたえしたものに少し手を加えたものを書くことにする。 ○○先生 メールありがとうございます。なかなか読ませますね。人…

2020年11月の俳句

10月10日の占領戦後史研究会、17日の戦時法研究会、28日の獨協大学地域総合研究所の研究例会、11月1日の協同主義研究会といずれもオンラインで充実した研究会が続いた。その間に俳句もたくさん楽しんでしまった。 小春人小春の猫も生返事 枯木立夕陽を…

コロナ禍の中の過ごし方ー循環社会、持続可能な社会へのささやかな試み

コロナのため研究会も調査もオンサイトでは不可能になった時間がながくあり今も続いている。この九か月間の家の中の生活はいつもと違ったはずである。私はベランダの三つの中型の鉢に近所の園芸店から、それぞれ一本百円から二百円のゴーヤ、キュウリ、ナス…

歴史的不見識ー最高裁の二つの「不正規労働」判決および学術会議候補排除

本月13日に最高裁は正規労働者と契約社員等の不正規労働者は労働が違うので、待遇に格差があるのは当然との二つの判決を出した。この判断には驚いている。株主の利益のためには、労働者を安価に使うために分断しまくる新自由主義のほとんど直接的なお先棒…

2020年10月の俳句

深大寺鯉の眼に彼岸花 曼殊沙華犬猫貉通り過ぎ 曼殊沙華あまたの孤老通る道 困民の謀叛の山の粧ひけり はきはきと足場組む人秋高し 家繕う患癒されるごと秋澄て 山査子の実右に見て退院す 明け夜勤の看護師のジィンズ空高し 病院働き人の子乗せ自転車数多か…

「『一強』の今とこれから」および2020年9月の俳句

クレイジーともいうべき炎暑がおわりつつある。この間も研究会,句作などはおこなっていた。とくにオンラインであるが、8月30日の協同主義研究会では、三木清の協同主義研究、美濃部達吉の「天皇機関説事件」の二つの新しい視角から、あるいはこれまでの通説…

2020年8月の俳句

八月の雑踏八月の死者の列 咲き満ちてこそ散華蓮の花 月見草苦労と不幸は別のもの 啄木鳥の打つ音杜の深まりぬ ベランダに茄子の花咲かせて喜寿 ベランダに茄子の花一人住む 長雨の自適の日々の茄子の花 最後には朴訥なのか茄子の花 妻に恋の人妻に逢ひの文…

可変性のうちに主体的に再構成を

この間、オンライン研究会が続いている。5月31日、6月20日の協同主義研究会では司会、7月4日の戦時法研究会では報告を行ったが、いずれも10人から20人の小規模のものであった。昨日7月19日の歴史学研究会総合部会例会は270名の参加者で行われた。.私も…

2020年7月の俳句

夏落葉落ちる音のみ自粛午後 校門初夏のびしたままの長い猫 知り人のかおこえ嬉々とズーム夏 数千のはくてふもつれおほけやき 句誌の上交合はじめる小蠅たち 時計草落ちて時空のかたよりぬ ライトブルーのサングラスものおもはざりき あらためて紫陽花をみる…

「コロナ」への対処と日本の過去・現在・未来ー試論

この五月末には日本における新型コロナウイルスの爆発的感染は少なくとも第一次は抑えられた。その対処の仕方と結果については、中国、米国、韓国、ヨーロッパ諸国などと比較するといくつか特徴がある。 大きくは中国のような全体主義的対応とアメリカのよう…

2020年6月の俳句

都市政治と国際政治に関する政治史と歴史学の方法と立ち位置に関わる二つのエッセイを書かなければと書きつつあるがなかなか進まない。 はなれあひゆきかひあらたコロナ夏 ステイホーム東京の空深く透き 公園サクス尾崎卒業たどたどし 出来心と酢醬油に噎せ…

5月の俳句

かなしみを引き継いでいる花祭 人見えずひたすら若葉樹と闇と 徒歩八分銀杏若葉の真ん中に なにものも時に残さずアロハシャツ 静謐をうつす鏡や青葉木菟 湧水のあやつる時や風ひかる 以上

「思想家」と「俳人」

一昨日5月13日は少々印象的な日だった。 一つは、若い研究者から、私の『協同主義とポスト戦後システム』などの著書、最近書いた研究ノート「協同主義と研究の様々な課題と様々な立ち位置-ポスト戦後体制期と内外の当事者性、メタ、既成制度」、「「協同…

2020年5月の俳句

退屈なので俳句をつくってしまったので5月にならないがひとまず。追加はあるかもしれない。 噴水のあやつる時や風ひかる 艶けきは深緑こぶし花の後 要らないが急ぐことばかり風光る 「コロナ」あろうとなかろうと糞ころがし 後頭に夏ある真蛸転倒す 柿若葉…