雨宮昭一の個人研究室

政治学と歴史学と地域の研究をしている雨宮昭一の備忘録です

2022年12月の俳句

その一

ドアの前主待つ猫冬夕焼

関東の隅までありあり冬の月

雨漏りにあたふたする夢秋深し

コンビニを出るや一輪冬椿

砂被り赤いマスクや土俵冷え

スマホ小便のひと秋深し

鳩下より現る病棟六階冬

妻三子震災死夜間中学生秋灯

その二

冬立ちぬ凛と整ふ辛夷の芽

音のなき風にゆらいで黄水仙

他からも自らからも追い込まれ十二月八日

洋傘に身を寄せてくるいぼむしり

海と波と凩時間の断面図

以上。