夏落葉落ちる音のみ自粛午後
校門初夏のびしたままの長い猫
知り人のかおこえ嬉々とズーム夏
数千のはくてふもつれおほけやき
句誌の上交合はじめる小蠅たち
時計草落ちて時空のかたよりぬ
ライトブルーのサングラスものおもはざりき
あらためて紫陽花をみる通勤人
濃い色のサングラスかけ快活に
東京に水の澄みたる深大寺
君のままでいいといふ本梅雨半ば
知り人に誰もあはずに梅雨に入る
九条を柱にアジアと世界の協同体
を
日向水蹂躙している一年生
七月の夕闇に佇つ逢へぬ日々
七月のシンクの水のよく排ける
七月の揚羽おほえる
変電所 以上