雨宮昭一の個人研究室

政治学と歴史学と地域の研究をしている雨宮昭一の備忘録です

2020年3月の俳句

 この間、カール・ポランニーの『大転換』および『カール・ポランニー伝』のいずれも500頁近い2冊を読み、1頁に要約しかつ私の問題意識の文脈に位置ずける作業を10日間で行い、やっと『地域総合研究』(本年3月)に載せる研究ノートの校正が終わった。ポランニーはどう考えても“協同主義者”と呼びたくなる誘惑にかられたことは、研究ノートに書いておいた。

 かつ、この間私が主催するものも含めてあらゆる研究会、シンポ、ついには句会まで中止になり、閉門蟄居、少なくとも閑居させられて不善をなす以外になかった。

 ということでこの間詠んだ俳句

 

紅梅を咲かさせている変電所

鯔(ぼら)であることはなぜ春運河

土塊の面魂や春一番

エスの字に跳ぶごんずいのふじびたい

混血の犬富士額日永かな

めはなだちよき地域猫はるじおん

みめのよきいぼいのししやひめじおん

ちゅういんがむの包装緑春惜しむ

いつまでも不明のおとこ日永かな

日永かな不明のおとこゆるく起き

春蝉の充実の地下七年

戦なくば戦前戦後なし五月

雲たった一つ浮く北多摩の日永かな

この世あるまえからの大銀杏

初めての春雨映る赤子の瞳

連翹やめはなだちよき地域犬

きだてよくみめはいまいち地域猫

  以上