雨宮昭一の個人研究室

政治学と歴史学と地域の研究をしている雨宮昭一の備忘録です

2022年6月の俳句 

風薫る二〇〇ページ二〇一ぺージ

メロンパン似合ふ少女や夏来たる

蛹脱ぐ蝶の目静か甲斐連山

花一輪卒業式を完成す

釣竿を空に一振り夏来る

脳内にデキシーランド夏を行く

大花火おおきく開き闇始まる

囀りの中さえずりて鳥となり                                                                                                 大欅夏空に光を孕ませて

手花火の花の開くや闇深む

自壊しつつあるから戦始める春

土用三郎が行く人見えず

守るべきものはなに子等と兵

孤児に親兵士に妻子チュウリップ

捨てるべきものはなにジギタリス

国民族我事に非ず子と兵士

先史人の叫喚混じる氷河かな

近代をさらりと避けて上機嫌夏

近代を越えてますます不機嫌夏

雲の峰老化は癌の予防のためと

様々なマスク青山一丁目

オンラインなぜか両手を振る夏

夏風のほつれ目から恍惚漢

竹婦人砂糖は腐敗防ぐため

旭天鵬優勝一斉に付き人号泣春

堤灯にメバル集まり海眠りゆく

鯛釣れず水は優しくなりにけり

鯵釣りの成果四入五入して話す

鮎釣りか釣られているか釜無川

竿放さぬ鮎釣人の流れ行く

無口不機嫌が作法釣れぬメバル

老いの血を吸いて老化する藪蚊

少詠多捨俳句消失夏の夜