雨宮昭一の個人研究室

政治学と歴史学と地域の研究をしている雨宮昭一の備忘録です

2022年5月の俳句 その二

 

万緑や二歳児手を握り来る

海からの風若葉の色調へ

フルートは心の波か春惜しむ

国民族で生きてゐぬのに難民春北風

両者ともナチの要素や春嵐

核による平和終わりぬ黄水仙

またも長崎の鐘とんがり帽子の赤い屋根

しゃぼんだまゆらゆらこの星ゆがませて

罌粟ゆれる静かにゆれる人ゆれる

鳥雲にカボチャだけを買ひにゆく

住宅をものともせずに桃花畑

蓮華蓮華蓮華蓮華ゆれる

勝手場に山吹二輪ひかりあふ

咲かずとも葉っぱうるおしひたちつゆくさ

スマホ乗り換えブルシットワーク数多夏

馬鹿にもクオリティあるとゼミ生涼し

鴨つぎつぎつぎと川長し

木も風も太極拳もゆーらゆら

風強し花を散らさぬこゑ聞こゆ