雨宮昭一の個人研究室

政治学と歴史学と地域の研究をしている雨宮昭一の備忘録です

2022年2月の俳句

 3月の協同主義研究会での報告準備のために文献や資料を読んでいる毎日である。詠んだ俳句は以下の通り。

猫だまし猫に試して寒の入り

猫だまし猫迷惑さふに大寒

サンマリノの城の上なる大虚空

プロバンスの農夫光を収穫す

元日の快便いい年だ

裏方の晴れ舞台螺子締め終わる冬

金柑を啄む鵯やまあいいか

子供を子供扱いせず枇杷の花

大寒や袂に継ぎ当て着る黄半纏

「一月の川」光流れる春三月

さびさびと心骨衰える面白さ冬

あたたかきラインの一声寒の入り

さらさらと狭庭立ち上ぐささめゆき

眠りゐる表情温し甲斐連山

多少あれ友らみなぼける冬我も

砂に立つ二個の目のみの鮃の不安

蛸の正しい姿勢はどれ秋の海

冬朝日桜裸木隴たける

雑踏にあることうれし疫禍中断冬晴

冬の陽を吊り上げていくスケートボード

遊撃手二人縺れる草野球冬

杉の木になるまで抱える杉の大木

よちよちと幼なに追はれ鴉スキップ

訝しげに顔をそむける冬薔薇

ごきぶりのいぶかしげな目と出会い

おおくしゃみして何も変らず

あくびする音の真中を年流れ

春眠を踏みつけていく韃靼人

福は内福は外と豆を撒く

はむかった子等皆傍に喜寿の冬

一人居の煤逃げばかり街温泉

茱萸の実を紅梅と見まがふ早探梅

武蔵野の真青なる空帰り花

以上。