雨宮昭一の個人研究室

政治学と歴史学と地域の研究をしている雨宮昭一の備忘録です

2022年1月の俳句

 著書の校正が終わってから俳句を90句近く詠んでしまった。そのうちからいくつかを。

書くことはすてることなり寒椿

詠むことは捨てることなり大旦

想起とはふわりと戦ぐ芒原

鯔跳ねてこの世の外に墜ちにけり

助けてと言へなんとかなる寒椿

いい加減に生きろ加減はお前が決めろ

適当に生きろ適当はお前が決めろ

いささかも冬空流れず川流れ

どの花もつくりかえられ薔薇の園

日本語で笑って検挙戦時ブラジル

いささ竹共産ポスター古自転車二日で更地

青桐の実縄文のDNA騒ぐ

十一月薄紫の茄子の花

身と心律儀に洗ふ人スーパー銭湯

寝るところ探している夢冬隣

声立てず話すカップル雲速し

縄文の骸骨に似た人骸骨と見つめ合ふ

川下りの舟死者生者マスクして

漂猫のさっさと過ぎる妻の留守

<奥さんの七回忌を迎えた友人に>

涼しき人と心に生きて紅葉七回

喪いても生きねばならぬ紅葉道七回

あーだこーだを怒るグレタや石蕗の花

ブルージーンズにはかれている老冬麗

オンラインの浮力の中の喜寿の秋

以上。