雨宮昭一の個人研究室

政治学と歴史学と地域の研究をしている雨宮昭一の備忘録です

2021年11月の俳句

一瞬毎華やぐ翳や暮れる富士

上弦の月パンデミック五波六波

北多摩にこんなおほきな赤い月

靴下を脱ぐ茄子の花咲く

赤きまま富士の容に富士I暮れる

こほろぎのつづく主張に反論せず

夕闇の光に乗れる放屁虫

こほろぎの音止まぬからビール飲む

小鯛の目澄み切って太平洋

つんのめる直前の蝶の声

実銀杏の樹々猛々し遊歩道

特別快速人事のはなしえんえんと

芋虫語萩語蚯蚓語秋の風

リンゴスターもタックスヘイブン秋澄みて

冬隣り足の先のみ目覚めいて

火の前に飛び降りたのは夏の虫

農小屋で心中ありたり狐啼く

烏賊を干す戦後を戦後で終はらせる

ひひらぎの見てゐるコロナの行方かな

泣きに泣く異議申し立ての幼かな

アパートに若きが早く帰らぬをことほぐ秋

病棟に区切られ流る秋の雲

初冠雪富士にくっきり登山道

ホモサピエンスネアンデルタール人スーパー銭湯

明らかに故友の体型スーパー銭湯

野分晴木の葉もろとも鳥うらがへる

加え文完璧に入れくれし再校秋

以上。