雨宮昭一の個人研究室

政治学と歴史学と地域の研究をしている雨宮昭一の備忘録です

俳句誌『澤』への応募の結果

 本日、私も参加している澤俳句会誌『澤』257号、2021年8月が届いた。そこには通常の記事のほかに、2021年1月15日に私も応募した新人賞など諸賞の審査結果が載せられている。74人が応募している。結果は賞はとれなかったが、私に関連することを記録しておきたい。未発表15句ということで、「秋の蝶兵士の列の乱されず」「前の世に見しごとき街春の雪」など『澤』で特撰に選ばれたり、「落花落花こと終はることの明るさ」などとりあげれた句も入ってはいない。応募句の表題と句は以下のとうり。

  生

来し方をうすべにいろに山躑躅

万緑をまといてしずか鯉の影

一瞬の闇のあはいや椿落つ

全ての道は老婆に通ず曼殊沙華

オノマトペはフランス語なりこをろこをろ

土塊の面魂や春一番

波荒く若布刈棹富士を断つ

いさかいのはざまゆらゆら雪蛍                                                         

かなぶんを闇にもどして終へる稿

雪解水紙漉く村を両断す

藤棚を抜けて異界の蝶となり

生きているだけでいいじゃんレモン水

冬麗ら老人赤信号を疾走す

新緑の遅速緩やか街の風

テキーラサンセットきりきり冷えて寒明くる

の15句である。新人賞の方でもいずれも数年以上会に参加し同人になっている方ばかりで、私のように2020年5月号から参加して8っか月足らずのものには重すぎたと思われる。ただ二人の選考委員による「第8回特別作品賞」で私の「生」を、選考委員の高橋睦郎さんに候補11人にとりあげていただいたこと、諸受賞、選外に「関わりなく、心に残った句」のなかに、私の「波荒く若布刈棹富士を断つ」をあげていただいたことは印象的であった。