雨宮昭一の個人研究室

政治学と歴史学と地域の研究をしている雨宮昭一の備忘録です

コロナ禍の中の過ごし方ー循環社会、持続可能な社会へのささやかな試み

 コロナのため研究会も調査もオンサイトでは不可能になった時間がながくあり今も続いている。この九か月間の家の中の生活はいつもと違ったはずである。私はベランダの三つの中型の鉢に近所の園芸店から、それぞれ一本百円から二百円のゴーヤ、キュウリ、ナスの苗一本ずつ購入した。

 肥料はわからないこともあって化学肥料は使わず、すべて家の生ごみをつかった。山梨の実家からの漬物の糠でつくった漬物を洗った水、コーヒーの粉、果実の皮など。そのことによってゴミに出す生ごみは半分以下になった。また炎暑が続いたから水分が必要であった。炊事で使う水は信じられないほどたくさんだが、洗剤を使わない水を鍋にためて鉢にいれた。私が検査入院した時は長女のエンジニアの婿さんが、ぽとぽとと水を供給する手製の給水装置を作ってくれた。

 いずれもよく育ち、実をつけてくれたが、朝、とったばかりのゴーヤとナスを卵といためたものをたべるのは至福であった。広がった茎や葉がベランダを覆い炎暑を圧倒的に遮断してくれた。朝、カーテンを開けると緑がとびこんでくる。シジミ蝶、熊蜂、蠅、蟻、ゲジゲジなどが受粉も含めてたくさんやってきた。夏みかん生ごみから芽が出て成長しアゲハ蝶の幼虫がつき、二羽羽化した。そしてしばらくしてその一羽が産卵にきた。

 やがて諸事オンラインになっていくが、この中で畑など屋外にでなくても、屋内で以上の自然自体の循環、と人間のかかわりと交流、五感,六感に感じる気持ち良さなどを伴うささやかな循環社会の試みは、アフタコロナの社会、ゴミを減らさなければならない小金井市にとっても、持続可能なグローバルな国際社会の形成にとっても、深い意味があるように思われる。