ずわいがにのごときかなしみおおあした
昨日と何も変らぬ大旦
初空や時を追い越す雲の影
成人の日の律儀なスカイツリー
やはらかき雨成人のそれぞれに
成人の日の惜しげもなき寒さ
初旅は友の通夜なり甲斐連山
よそおいの静かに終わる甲斐の山
梅一輪峡谷の天碧を増す
梅二輪ひらく初空ひろがりぬ
こぞことし壁に重たき恋衣
仇敵の如く雑草に対ひおり
昨年4月病院にて
麻薬打つ身のあたたかく宙に浮く
麻薬打つやはらかくあたたかく時止まる
麻薬切れ時流れ始まる西病棟
おもむろに三尺歩むいのちふたたび