雨宮昭一の個人研究室

政治学と歴史学と地域の研究をしている雨宮昭一の備忘録です

幽霊の原稿」

 昨日、西麻布にある画廊スノーコンテンポラリーで、ベルリン在住で私の長男の雨宮庸介の「幽霊の原稿」と題する個展を見た。                  今度の作品は、直接のきっかけのひとつには今は落ち着いているが、ここ一、二年の父親である私と母親である私の妻がかなり重い病にかかってある意味で死と再生に関わりそれへの対応の過程、彼のパフォーマンスの絵コンテ、ト書き、論文に向けての学者の原稿など、それらの時間、空間、行為、関係による過程の局面局面とその連続を、一枚の二次元の絵にするという、新しい試み、と思われる。

 そのような試みは多くの場合わかりにくい表現になりやすいが、今回の黒地に白の螺旋は大変にくっきりと上記の内容をある意味でシンプルに直感的に感じさせてくれている。それは上記の内容、および局面局面の総和以上の何かをも新しく表現している気持ちのよい絵画だと私には感じられた。。