雨宮昭一の個人研究室

政治学と歴史学と地域の研究をしている雨宮昭一の備忘録です

第一回協同主義研究会

 昨日3月17日に協同主義研究会の第一回が小金井市のマロン会館で行われた。私が「協同主義研究会の様々な課題と様々な立ち位置ーポスト戦後体制の模索期(1989-2019年)と内外の当事者性、、メタへの責任、既成制度からの自立」について報告した。

 30名程の会員のうち18名の方が、九州、秋田、新潟などからも、そしていずれもまだ大小の「功成り名遂げ」と思って無自覚にそれに思考が拘束されない意味でも現実的にも若い人が多い集まりであった。報告1時間、討論2時間、できわめて本質的で深く先端的な議論が行われ、そのあとの懇親会でもそのまま議論が引き継がれた(報告の内容と議論は起こして印刷される予定)。

 協同主義を、内外、諸領域、諸時代に体系的にかかわるものとして提起したこともあって、多面的な論点があがった。アトランダムに、闇経済と自主管理、社会の基層と政治、国家の間の各レベルにおけるヘゲモニー空間、オルタナティブ、中国における協同主義の契機、解釈改憲の程度の質的意味、70年代の地域計画の協同主義化、社会国民主義派の戦前、戦後の都市計画と新旧住民、協同主義の理念と課題と担い手ー戦時と戦後とポスト戦後、秋田における協同主義と農協の歴史的位置、などなど。当然、報告者の四潮流論にも、ファシズムやマフィアの評価にも激しい指摘があった。その評価の基準が抽象的なデモクラシーではなく、その現場で生きていくためのオルタナティブを基準にすべき、と報告者は述べた。とにかく知的にも実に楽しい時間だった。また知らない人たちが知り合いあたらしいネットワークのプラットホームにこの会がなっているのもいいなと思った。次回が楽しみである。