雨宮昭一の個人研究室

政治学と歴史学と地域の研究をしている雨宮昭一の備忘録です

2020年10月の俳句

深大寺鯉の眼に彼岸花

曼殊沙華犬猫貉通り過ぎ

曼殊沙華あまたの孤老通る道

困民の謀叛の山の粧ひけり

はきはきと足場組む人秋高し

家繕う患癒されるごと秋澄て

山査子の実右に見て退院す

明け夜勤の看護師のジィンズ空高し

病院働き人の子乗せ自転車数多かたまりて

眉間広き幼き姉弟花野かな

花以外寄せ付けないのだ大花野

講談はラップなんだな弁慶草

縄文の作り手の暴走絢爛秋

縄文の土器のつくり手の暴走を愛す

家郷より種ある巨峰味の濃く

諸事オンライン暇なし喜寿初秋

山の駅それぞれ

の紅葉それぞれの遅速

オノマトペはフランス語なりこをろこをろ

植物園午後のアンニユイ棗の実

手渡されし棗の実の甘く苦く

百日紅の幹の白さの林立す

湧水槽透明の卍重なりて秋

野分来る南海の空気深く吸う

秋の風三毛猫ふいに跳ね起きる

MRI祇園精舎の鐘の声

英国人苦闘す蕎麦音立てず食む

消防士の車さまざま秋高し

片思いだから派手

なベゴニアの花

団栗の落つる響きと虫の音と

講談の修羅場語りや秋澄て

木犀の落花流れてひかりあひ

以上

 

 

 

 

 

 

以上