雨宮昭一の個人研究室

政治学と歴史学と地域の研究をしている雨宮昭一の備忘録です

小金井市議会報告会2019

 昨晩、小金井市議会報告2019「市民と議員の交流会議」に初めて参加した。最初に各委員会報告があり、次になぜ市政、市議会に市民の関心が低いのか、どうしたらいいか、あなたはどうする、の3テーマをめぐる「世界カフェ」が行われた。数テーブル、数人、議員一人ファシリテーターである。議員,行政の怠慢、不十分、宣伝の下手さなどの意見が多かったが私は次のような話をした。

 不満がないから関心がないのではないか。議員も市長も行政もよくやっているのではないか。不満とは例えば人口急増で汲み取りも不十分な時のような諸々の「不満」はもう解決してしまっているからである。たぶん議員も市長もさらに市民もその「不満」の次元で市政や議会の内容を依然として考えている可能性がある。

 その不満の既にある次の段階の課題、不満を顕在化させると関心も顕在化すると思われる。それは次の段階へのバージョンアップであり、この市における生活の新たな質の展開である。たとえば文化や遊びにも楽しみや健康にもひいては医療や福祉にも関係するが、自転車道が普通に作られればずいぶん生活は豊かになるだろう。そうすれば前の「不満」の段階で計画された、大事な自然や将来の生活空間を壊す大きな道路などを許すはずはないだろう。少なくとも「関心」はもつだろう。

 さらに前の「不満」の解決のために汲み取りの「直営」などによる公務員の増加は当然のことであるが、それが下水整備などで解決されれば再編されるのは当然である。その意味での人件費削減も既に終わっているとおもわれる。だからその段階の「人件費削減競争」の次の段階に入っていると思われる。一つは次の段階の課題を遂行する公務員が必要であること。もう一つは公務員の非正規化、などによる極めて不安定なありかたの増大である。社会保障費か人件費かというあり方では済まなくなっているのである。

 社会保障も人件費も可能にする市のありかたを構想しなければならないことになる。私はこの地域に住宅だけではなく、新しい生活の質に関わる文化、遊び、情報などに関わる企業、起業、産業が必要と考え「ポストベッドタウン」を述べてきた。これもポスト「不満」段階のはなしだろう。

 今回初めてこの催しに参加して30代40代の若い人も参加され、「子供と選挙にいく」とか「このような試みを無作為抽出でやったらどうか」などの意見も出していてずいぶん意味があることを強く感じた。議員の方々の努力に感謝したい。